公益財団法人 双葉電子記念財団

活動報告

2020年度衞藤細矢記念賞贈呈される

2020年9月25日、2020年度衞藤細矢記念賞が下記のお二方に贈呈されました。 例年、7月に催される当財団の「贈呈式並びに成果発表会」の晴れの舞台で贈呈されるのが恒例ですが、今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため式典が中止となり、代わって、当財団の理事長・副理事長が受賞者の國中均博士、中臺一博博士のお二人を訪問し、贈呈の儀を行いました。

顕彰事業の趣旨および対象

当財団は、我が国の電子技術産業の先駆者として双葉電子工業株式会社を設立した衞藤五郎氏と細矢禮二氏が、我が国の科学技術の振興の一助ともなり、志を抱く人たちの鼓舞激励ともなる様な助成機関の設立をしたいと言う主旨から1986年6月に設立、その目的に沿った活動を展開しております。
その重要性をより社会に訴えるため、優れた業績・成果を上げた個人又は団体に顕彰を行うこととなり、2016年度からその対象者を推薦方式により一般公募する顕彰事業を実施しております。 贈呈の対象は、下記のとおりです。
日本国の自然科学・技術に関する学術及び産業社会における基盤技術の研究・開発・産業振興などの面で顕著な功績・業績があり、今後さらに大きく進展することが期待される、推薦された方または団体。
または、過去、当財団の研究助成受領者、奨学金受給者、青少年創造性開発育成事業において、研究、技術、社会貢献などの面で顕著な功績があり、現在も第一線に立ってリーダーシップを発揮されている、推薦された個人または団体。

2020年度の受賞者ご紹介およびご功績・業績概要

國中 均 様
国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構 理事
宇宙科学研究所 所長

國中均博士は、従来実用に供されてきた電子衝撃型イオン源に代わる電子サイクロトロン共鳴(ECR)イオン源に着目し、加速電極と電子源の劣化がなく、エネルギー効率を各段に改良したロケット推進用イオン源を完成させ、さらに、ECRイオン源をベースとした宇宙推進装置の開発と、はやぶさミッションへの応用で顕著な業績を挙げておられます。「はやぶさ」および「はやぶさ2」の小惑星探査ミッションは氏のECRイオン源なしには実現できなかったと言って過言ではありません。
また、博士はECRイオン源のプラズマ物理を解明するために、従来のラングミュアプローブに代わる光ファイバー式プラズマ診断技術を開発し、ECRイオン源の動作状態を測定することに成功されました。この技術は薄膜生産用プラズマ装置の開発や診断に広く利用される可能性があり、産業技術の振興にも寄与するのは確実です。
以上、博士のご業績の一部をご紹介いたしましたが、自然科学・技術の発展、産業振興において顕著なものがあり、衞藤細矢記念賞にふさわしく、また宇宙航空研究開発機構理事および宇宙科学研究所所長としても、今後の更なるご活躍が期待されるところです。

中臺 一博 様
東京工業大学 特任教授
(株)ホンダ・リサーチ・インスティチュート・ジャパン プリンシバル・サイエンティスト

中臺一博博士は、JST ERATO北野共生システムプロジェクト、(株)ホンダ・リサーチ・インスティチュート・ジャパン、東京工業大学での研究活動を通じて、ロボットは、人間の口元にマイクを設置するのではなく、「自らの耳で周囲の音を聞き分けることができるべきである」という考えから、「ロボット聴覚」という新しい研究分野を提唱、現在に至るまで、その中心として世界のロボット聴覚研究をリードするなど、その学術的業績は高く評価されており、大変注目されております。
とりわけ、11人の同時発話を聞き分ける聖徳太子ロボットを世界に先駆けて開発し、その独創的な技術をロボット聴覚のオープンソースソフトウェアHARKとして、広く社会に公開しています。同時に、この技術を応用展開した画期的なドローン開発にも成功されるなど、社会実装を通じた技術の応用展開に貢献していることも高く評価されています。
以上、博士のご業績の一部をご紹介しましたが、情報科学技術の発展、産業振興において顕著なものがあり、衞藤細矢記念賞にふさわしく、今後の更なるご活躍も大いに期待されます。

2020年9月25日
公益財団法人双葉電子記念財団事務局

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